ひてんから見た宇宙
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1990年に打ち上げられた日本初の月探査機「ひてん」の位置に立って、星空と地球・月を見渡します。月の重力で軌道を曲げる1回目の月スウィングバイ、地球の大気の上の端をかすめて速さを落としたエアロブレーキ、太陽の重力を借りて月へ戻った1991年の航路の3つの場面を切り替えて確かめられます。
いま見えている天体
FROM HITEN| 天体 | 方向(星座) | 距離 | 見かけの大きさ | 明るさ |
|---|
天体名を押すと、その方向に視線を向けます。明るさは等級(小さいほど明るい)の目安です。
この再現について
METHOD星と星座は実データ
6等星までの恒星約5,000個と、88星座の線を使っています。恒星はとても遠いので、ひてんから見ても星座の形と位置は地球から見た夜空と同じです。
地球・月・太陽の重力で計算
ひてんの航路は、地球・月・太陽の重力を受けて飛ぶとして数値計算し、発表された日時と距離に合うように軌道の向きや噴射の大きさを決めたものです。月と太陽の位置は Astronomy Engine で求めています。
① 1回目の月スウィングバイ
最初の軌道(近地点262km・遠地点28万6183km・傾き30.63°)から、3回目に地球へ近づいたときに1回だけ秒速44m加速するとして、1990年3月19日5時04分09秒(日本時間)に月の中心から1万6472.4kmを通るように決めました。実際の軌道修正の回数や時期は再現していません。孫衛星はごろもは、その27分前に切り離されました。
② エアロブレーキ
1991年3月19日(高度125.5km)と30日(120km)に、地球に最も近づくところで大気の上の端を秒速約11kmで通りました。空気の抵抗による減速(秒速1.712mと2.8m)は、この再現では一瞬で起きるとしています。軌道の面は月の軌道の面に近いと仮定しました。高度125kmでは、地球が空の4割ほどをふさぎます。
③ 太陽の重力を借りて月へ
はじまりの月スウィングバイ(この再現では1991年5月20日)から、太陽の重力で向きを変えて1991年10月2日に月へ戻る航路を、計算で探して選びました。地球からいちばん遠いところは計算で89万kmで、発表(約130万〜150万km)より近くなっています。最後の12日間は、なめらかな補正で月の上空100km(設計の資料の値)に合わせました。実際の航路の細かい形は発表されていないので、この場面はとくに大まかです。
進行方向の2つの基準
視線の「進行方向」は、ひてんが進んでいく向きにカメラを向け続ける視点です。太陽基準は、太陽から見たひてんの動きの向きです。ひてんは地球と一緒に太陽を回っているので、ほとんど地球の公転の向きと同じになります。月(②は地球)基準は、目的の天体から見たひてんの動きの向きです。月や地球のそばでは、重力で向きが大きく曲がるのがわかります。なお、実際のひてんは回転しながら姿勢を保っていて、進行方向にカメラを向けているわけではありません。
出典
SOURCES- ひてん(JAXA宇宙科学研究所)スウィングバイ、エアロブレーキ、月への到着
- 工学実験衛星MUSES-Aの打上げ結果(文部省 宇宙開発委員会資料)最初の軌道
- MUSES-A Hiten / Hagoromo(Gunter's Space Page)1回目のスウィングバイ、はごろもの切り離し、エアロブレーキの日時と高度
- Belbruno & Miller(1993)太陽の重力を借りて月へ向かう航路
- NASA Blue Marble ・ NASA 3D Resources ・ NASA SVS CGI Moon Kit大きく見えるときの地球・火星・月の表面の画像。地球の雲は、このページ用に作ったもの(観測画像ではありません)
- d3-celestial恒星・星座線のデータ
- Astronomy Engine太陽・惑星・月の位置計算