はやぶさ2#から見た宇宙
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リュウグウの試料を地球に届けた「はやぶさ2」は、そのまま次の旅「はやぶさ2#」に出ました。2026年7月5日には、小惑星トリフネのそばを秒速5.3kmで通り抜けています。最接近はトリフネの中心から約744m、表面から約400m。その瞬間の景色を、探査機の位置から再現しました。地球スウィングバイ2回のあと、2031年に直径約11mの小惑星1998 KY26に着くまでの、これからの道のりも切り替えて見られます。
いま見えている天体
FROM HAYABUSA2#| 天体 | 方向(星座) | 距離 | 見かけの大きさ | 明るさ |
|---|
天体名を押すと、その方向に視線を向けます。明るさは等級(小さいほど明るい)の目安です。
この再現について
METHOD星と星座は実データ
6等星までの恒星約5,000個と、88星座の線を使っています。恒星はとても遠いので、はやぶさ2から見ても星座の形と位置は地球から見た夜空と同じです。
トリフネのフライバイ
2026年7月5日18時30分(日本時間)、トリフネの中心から約744mを秒速約5.3kmで通過しました(JAXAの7月30日の発表)。表面から最も近いところで約400mです。ここでは、探査機がトリフネの太陽側を通ったとして、最接近の時刻と距離を発表の値に合わせています。速さが大きいので、距離20kmから最接近までは約4秒しかかかりません。この区間の再生は自動で10分の1のスローになります。
トリフネの形は仮のもの
トリフネの形のモデルはまだ発表されていないため、発表された長さ(長軸約840m、短軸約340m)に合わせたなめらかな楕円体で表しています。実際の表面の凹凸や細かい形ではありません。自転周期(約5.0時間)と自転軸の向きは、地上からの観測にもとづく値を使いました。
航路は概算
はやぶさ2はイオンエンジンで少しずつ軌道を変えながら飛んでいます。ここでは、出来事の日時を「エンジンを使わない軌道」でつなぎ、イオンエンジンの働きは、なめらかな補正で置き換えました。地球を出発してからトリフネまでは太陽のまわりを約6周する軌道で、トリフネに対する速さが発表の秒速5.3kmになるよう補正しています。トリフネ通過のあとは、同じ速度のまま飛ぶと2027年12月5日に地球へ戻ってくる軌道になったので、これを1回目の地球スウィングバイとしました。
2027年以降は推定
地球スウィングバイ(2027年12月、2028年6月)と1998 KY26への到着(2031年7月)は、月までしか発表されていません。ここでは、スウィングバイの前後で地球に対する速さがそろうように日付を計算で求め、1回目を12月5日(高度約1万800km)、2回目を2028年6月3日(高度約1,240km)、到着を2031年7月10日としました。到着時は、1998 KY26の太陽側5kmの地点で止まる形にしています(到着時の距離は仮定)。
計算の確かめ
地球を出発するときの地球に対する速さは秒速4.35kmで、帰還時のカプセルの突入速度(秒速約12km)から逆算した値(約4.7km)に近くなっています。補正に必要な加速度は最大で約0.00003m/s²で、はやぶさ2のイオンエンジン(推力最大28mN、重さ約600kg)で出せる大きさの範囲です。
進行方向の2つの基準
視線の「進行方向」は、はやぶさ2が進んでいく向きにカメラを向け続ける視点です。太陽基準は、太陽から見たはやぶさ2の動きの向きで、太陽のまわりを回る軌道そのものの向きです。その区間の目的地(トリフネ、地球、1998 KY26)基準は、目的地から見たはやぶさ2の動きの向きで、目的地に対してどちらへ進んでいるかを表します。目的地がこの十字の真ん中にあれば正面から向かうコース、少しずれていれば、そのずれの分だけ横を通り過ぎるコースです。目的地に近づくと、目的地の重力で向きが曲がり、十字も動きます。トリフネのそばでは相対速度が秒速5.3kmと大きく、十字はほとんど動かないまま、最接近の前後の数秒でトリフネが十字のすぐ横を通り過ぎます。目的地のそばで相対速度が秒速5m未満になると向きが決まらないため、十字を目的地の方向へなめらかに寄せています。なお、実際の探査機は太陽電池やアンテナの都合で姿勢を決めていて、進行方向にカメラを向けているわけではありません。
出典
SOURCES- はやぶさ2 記者説明会資料 2026年7月30日(JAXA)最接近の時刻・距離・速さ、トリフネの大きさ、軌道修正の日時
- Hayabusa2(JAXA宇宙科学研究所)拡張ミッションの予定、1998 KY26
- Hayabusa2♯: high-speed flyby of the mini-asteroid Torifune(DLR)フライバイの時刻、約700万kmからの初撮影、今後の予定
- はやぶさ2 記者説明会資料 2020年12月6日(JAXA)カプセル分離後の探査機の地球最接近
- JPL Small-Body Databaseトリフネ・1998 KY26の軌道要素、自転周期、絶対等級
- NASA Blue Marble ・ NASA 3D Resources ・ NASA SVS CGI Moon Kit大きく見えるときの地球・火星・月の表面の画像。地球の雲は、このページ用に作ったもの(観測画像ではありません)
- d3-celestial恒星・星座線のデータ
- Astronomy Engine太陽・惑星・月の位置計算