小惑星探査機「はやぶさ2」の旅路
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2014年に打ち上げられた「はやぶさ2」は、小惑星リュウグウに2回着陸し、人工クレーターを作って地下の物質まで採取しました。2020年12月、試料の入ったカプセルを地球に届けると、探査機はそのまま次の小惑星へ向かう拡張ミッションに入りました。初代はやぶさの経験を生かした往復の旅をたどります。
リュウグウへの往復
ORBIT太陽を上から見た図です。赤い線がはやぶさ2の航路、点線が地球とリュウグウの軌道です。右の出来事を押すと、その日付に移動します。
リュウグウの形
SHAPE直径約900mの小惑星です。赤道がぐるりと尖った、そろばん玉やコマのような形をしています。ここでは、はやぶさ2が撮影した画像からチームが作った形状モデル(ISAS/JAXA 公開)を、約4,000面に間引いて表示しています。ドラッグで回して見られます。
はやぶさ2の旅
TIMELINE打ち上げ
種子島宇宙センターから、H-IIAロケット26号機で打ち上げられました。
地球スウィングバイ
打ち上げから1年後に地球の上空約3,090kmを通過し、地球の重力で軌道を変えてリュウグウへ向かいました。
リュウグウに到着
リュウグウから20kmの地点に到着しました。近づくにつれて、そろばん玉のような形が見えてきました。
小型ローバと着陸機を降ろす
小型ローバ「MINERVA-II1」と、ドイツ・フランスの着陸機「MASCOT」を分離し、リュウグウの表面に降ろしました。
1回目のタッチダウン
リュウグウに着陸し、表面の試料を採取しました。
人工クレーターを作る
衝突装置で金属の塊を撃ち込み、直径約10mのクレーターを作りました。地下の物質を表面に出すためです。
2回目のタッチダウン
人工クレーターの近くに着陸し、掘り出された地下の物質を採取しました。
リュウグウを出発
約1年5か月の滞在を終え、イオンエンジンで地球へ向かいました。
カプセルを分離
地球から約22万kmの地点で、試料の入ったカプセルを切り離しました。
カプセルが帰還
午前2時半ごろ、カプセルが大気圏に突入して光る様子が観測され、オーストラリアのウーメラ砂漠で回収されました。持ち帰った試料は約5.4gでした。
小惑星トリフネをフライバイ
拡張ミッションで、長さ約840mの小惑星トリフネのそばを秒速5.3kmで通過しました。表面からの距離は約400mでした。
次の目的地へ
2027年12月に地球スウィングバイを行い、2031年に小惑星1998 KY26に到着する予定です。
はやぶさ2が実現したこと
ACHIEVEMENTS2回の着陸と人工クレーター
表面の試料に加えて、衝突装置で作ったクレーターのそばに着陸し、宇宙線や太陽光にさらされていない地下の物質も採取しました。
予定どおりの帰還
初代はやぶさは帰還が3年延びましたが、はやぶさ2は計画どおり2020年12月にカプセルを地球へ届けました。
帰還のあとも続く旅
カプセルを届けた探査機本体は、残った燃料で拡張ミッションへ。2026年7月には小惑星トリフネのそばを表面から約400mで通過しました。
諸元
SPECIFICATIONS- 名称
- はやぶさ2
- 打ち上げ
- 2014年12月3日 13時22分(日本時間) 種子島宇宙センター、H-IIAロケット26号機
- 質量
- 約600kg 燃料を含む
- 主エンジン
- イオンエンジン キセノン66kgで最大で秒速約2km加速
- 持ち帰った試料
- 約5.4g ガスを含む
出典
SOURCES- はやぶさ2 地球帰還に向けたプレスキット(JAXA、2020年9月)経緯、リュウグウ出発、帰還の計画
- はやぶさ2カプセルの回収について(JAXA、2020年12月6日)カプセル分離・突入・回収
- 小惑星トリフネのフライバイ探査に成功!(JAXA はやぶさ2)トリフネのフライバイ、今後の予定
- Hayabusa2(Wikipedia)地球スウィングバイの距離、試料の量、質量、イオンエンジン
- 162173 Ryugu(Wikipedia)大きさ、形、自転
- リュウグウの形状モデル SHAPE_SFM_49k_v20180804(ISAS/JAXA、DARTS)リュウグウの形。Watanabe ほか(2019)Science 364, 268 の公開データ。約4.9万面を約4,000面に間引いて使用
- 162173 Ryugu(JPL Small-Body Database)リュウグウの軌道要素
- Astronomy Engine地球の位置計算