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MIO / BEPICOLOMBO

水星磁気圏探査機「みお」の旅路

「みお」は、日本(JAXA)とヨーロッパ(ESA)が共同で進める水星探査計画「ベピコロンボ」で、日本が担当する探査機です。2018年に打ち上げられ、ヨーロッパの水星表面探査機MPO、電気推進モジュールMTMと重なった姿で、地球・金星・水星のそばを9回通りながら少しずつ速度を落としてきました。2026年11月21日に水星を回る軌道に入り、12月にMPOから離れて観測の準備に入る予定です。

打ち上げ 2018-10-20 10:45 JST ロケット アリアン5 みおの質量 約280 kg 水星到着 2026-11-21 予定

水星への8年の航路

ORBIT

太陽を上から見た図です。赤い線が「みお」(ベピコロンボ)の航路、点線が地球・金星・水星の軌道です。地球の軌道から出発して、金星、水星と、だんだん太陽に近い軌道へ移っていきます。右の出来事を押すと、その日付に移動します。

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みお(ベピコロンボ)の航路
位置は概算 · イオンエンジンの噴射は簡略化

9回のスウィングバイ

FLYBYS

惑星のそばを通ると、その重力で探査機の向きと速さが変わります。ベピコロンボは地球1回、金星2回、水星6回のスウィングバイで、太陽に向かって落ちていくときに増える速度を少しずつ打ち消してきました。

回惑星日時(日本時間)最接近の高度
1地球2020年4月10日 13時25分約12,700 km
2金星2020年10月15日 12時58分約10,720 km
3金星2021年8月10日 22時51分552 km
4水星2021年10月2日 8時34分199 km
5水星2022年6月23日 18時44分約200 km
6水星2023年6月20日 4時34分約236 km
7水星2024年9月5日 6時48分約165 km
8水星2024年12月1日約37,630 km
9水星2025年1月8日 14時59分約295 km

高度は惑星の表面からの距離です。8回目(水星5回目)は表面から遠く離れて通過しました。6回の水星スウィングバイを終えたとき、水星に対する速さは秒速約1.76kmまで下がっていました。

みおの旅

TIMELINE
  1. 打ち上げ

    南米・フランス領ギアナのギアナ宇宙センターから、アリアン5ロケットで打ち上げられました。ヨーロッパの水星表面探査機MPO、日本の「みお」、電気推進モジュールMTM、「みお」を太陽の熱から守る覆いが、縦に重なった姿で旅立ちました。

  2. 地球スウィングバイ

    打ち上げから約1年半後、地球の上空約1万2700kmを通過しました。地球の重力で軌道を太陽側へ曲げ、金星へ向かいました。

  3. 金星スウィングバイ2回

    1回目は上空約1万700km、2回目は552kmで金星のそばを通過し、水星の軌道に届くところまで太陽に近づきました。

  4. 水星スウィングバイ1回目

    水星の上空199kmを通過し、初めて水星の姿を撮影しました。ここから約3年かけて、水星のそばを6回通ります。

  5. 水星スウィングバイ2回目・3回目

    どちらも上空約200kmで通過しました。通過のたびに、水星に対する速さが下がっていきます。

  6. 電気推進の不具合

    MTMのイオンエンジンに十分な電力が届かなくなり、最大の推力が出せなくなりました。少ない推力でも水星に着ける新しい航路に切り替え、水星への到着を2025年12月から2026年11月に延ばしました。

  7. 水星スウィングバイ4〜6回目

    4回目は計画より約35km近い高度約165kmを通過し、新しい航路への最初の一歩になりました。5回目は約3万7600km離れて通過し、6回目は高度約295kmを通過して、スウィングバイはすべて終わりました。

  8. 電気推進モジュールMTMを切り離す

    8年近く探査機を運んできたMTMを切り離しました。日本時間22時52分に、分離が正常に行われたことが確認されました。

  9. 水星を回る軌道へ

    水星の重力にそっと捕まる形で、水星の極の上を通る、高度674km×約17万8000kmの細長い軌道に入る予定です。

  10. みおがMPOから離れる

    高度590km×1万1640kmの軌道で、「みお」がMPOから分離する予定です。MPOはさらに低い軌道へ移り、2027年4月から本格的な観測が始まります。

水星へ行くのが難しいわけ

WHY SO LONG
01

太陽に近づくほど速くなる

地球は秒速約30kmで太陽のまわりを回っていますが、水星は平均で秒速約47kmです。地球から太陽の方へ落ちていくと探査機はどんどん速くなるので、水星を回る軌道に入るには、ためた速度を捨てる必要があります。

02

惑星の重力をブレーキに使う

ロケットの燃料だけで減速すると、とても大きな燃料が必要です。そこで、惑星のそばを通って重力で軌道を変えるスウィングバイを9回くり返し、少しずつ減速しました。

03

イオンエンジンとの組み合わせ

スウィングバイの間は、MTMのイオンエンジンで長い時間をかけて軌道を整えました。2024年の不具合で推力が足りなくなったため、到着は約1年遅れました。

金星を回る日本の探査機は金星探査機「あかつき」の旅路で、火星を目指した日本の探査機は火星探査機「のぞみ」の旅路で紹介しています。

諸元

SPECIFICATIONS
名称
水星磁気圏探査機「みお」 MMO(Mercury Magnetospheric Orbiter)
計画
国際水星探査計画「ベピコロンボ」 ヨーロッパ宇宙機関(ESA)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)の共同
打ち上げ
2018年10月20日 10時45分(日本時間) ギアナ宇宙センター、アリアン5ロケット
質量
約280kg うち観測装置 約40kg
形
直径180cmの円に収まる八角柱 高さ約2.4m(アンテナを含む)
観測
水星の磁場、磁気圏、プラズマと電場、ダスト、ナトリウムの大気 5種類の観測装置
水星を回る軌道
高度約590km×約1万1600km、周期約9.3時間 水星の極の上を通る軌道
一緒に行く探査機
水星表面探査機MPO(ESA) 高度480km×1500kmの軌道で地形や表面を観測

出典

SOURCES

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