ボイジャー1号から見た宇宙
1977年に打ち上げられたNASAのボイジャー1号の位置に立って、星空を見渡します。1979年の木星と4つの大きな衛星、1980年の土星とタイタン、1990年に太陽系をふり返った「家族写真」の日、そして地球から光で24時間の距離に届く2026年11月18日。航路はJPLが公開している軌道(JPL Horizons)です。
いま見えている天体
FROM VOYAGER 1| 天体 | 方向(星座) | 距離 | 見かけの大きさ | 明るさ |
|---|
天体名を押すと、その方向に視線を向けます。明るさは等級(小さいほど明るい)の目安です。
この再現について
METHOD航路はJPL Horizons
JPL Horizonsの「Voyager 1」(-31)の軌道を使っています。1981年より前は、惑星や衛星との出会いに合わせて円錐曲線をつないだ「おおよその軌道」で、1981〜1992年の追跡データにもとづく部分は2022年に解析し直されたもの、それより後は予測です。木星・土星のそばでは、Horizonsの探査機と衛星の位置と速さから惑星を回る動きを計算してつなぎました(Horizonsとの差は、いちばん近づくころで数十km、数日離れると数千km)。
計算の確かめ
木星にいちばん近づいたのは1979年3月5日 12時05分(世界時)、中心から34万8400km(雲の上27万7000km、NASAの発表は27万7400km)。イオには15時13分に2万500km。土星は1980年11月12日 23時46分に中心から18万4000km(雲の上約12万4000km)、タイタンにはその約18時間前に中心から約6,600kmまで近づきました。
木星はカッシーニの地図、土星は作った模様
木星と土星は、大きく見えるときに表面の模様をつけて描きます。木星は、NASAの探査機カッシーニが2000年12月に撮った画像からつくられた全球の地図(PIA07782)を縮小して使っています。ボイジャー1号が訪ねた1979年とは雲の形が違い、大赤斑も当時はもっと大きく見えました。土星は全球の地図が公開されていないため、帯の並びをおおまかに合わせてプログラムで作った模様で、撮った画像ではありません。自転の向きと速さ、つぶれた形(木星は約6.5%、土星は約9.8%)は実際の値です。土星の環は、C環・B環・カッシーニの間隙・A環(エンケの間隙)・F環の半径と、おおまかな濃さで描いています。
衛星
木星のイオ・エウロパ・ガニメデ・カリスト、土星のタイタン・レア・ディオネ・テティス・エンケラドゥス・ミマスを、木星・土星のそばの区間で表示します。近くを通るイオ・ガニメデ・ミマス・レアは、ボイジャー・ガリレオ・カッシーニの画像からつくられた全球の地図で描き、いつも同じ面を惑星に向けて回ります(ミマスの地図は色を強調したものなので、色を薄くして使っています)。タイタンは厚い大気に包まれ、目で見える光ではオレンジ色のもやしか見えません(ボイジャー1号のカメラにも地表は見えませんでした)。ここでは、カッシーニが近赤外線でもやの下を撮った地表の地図(PIA19658)をオレンジ色に染めて薄く重ね、縁にもやの明るさを足しています。ほかの衛星は色をつけた球です。
家族写真の日
1990年2月14日、ボイジャー1号は約60億km先からカメラを太陽系に向け、6つの惑星を撮りました。地球は太陽からわずか約1.4°の方向にあり、まぶしい太陽のすぐそばの小さな点でした(ペイル・ブルー・ドット)。この写真のあと、電力を節約するためにカメラは止められました。
1光日の日
2026年11月18日 10時16分(世界時、日本時間 19時16分)、地球からの距離が光で24時間になります。太陽は今も空でいちばん明るい天体ですが、見かけの大きさは点と変わりません。星座は地球から見た夜空とほとんど同じです。くわしくは旅路のページで。
星と惑星
7等星までの恒星と88星座の線を使っています。恒星はとても遠いので、172AU離れても星座の形は地球から見た夜空と同じです。太陽・地球・月・火星・金星・水星の位置は天文計算ライブラリで、木星と土星の位置はJPL Horizonsで求めています。
出典
SOURCES- JPL Horizons(NASA/JPL)「Voyager 1」(-31、Voyager_1_ST+refit2022_m)、木星・土星と衛星の位置
- NASA「Voyager Fact Sheet」木星・土星への接近
- NASA/JPL(2026年10月29日)1光日(11月18日)
- NASA/JPL/Space Science Institute PIA07782「Cassini's Best Maps of Jupiter (Cylindrical Map)」木星の表面の地図(縮小して使用)
- USGS Astrogeology ・ ガニメデ ・ レアイオ・ガニメデ・レアの全球の地図(パブリックドメイン、縮小して使用)
- USGS「Titan Cassini ISS Global Mosaic」(NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute PIA19658「Map of Titan - June 2015」)タイタンの地表(近赤外線)。縮小し、オレンジ色に染めて使用
- NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute/LPI PIA18437「Color Maps of Mimas - 2014」ミマスの地図(縮小し、色を薄くして使用)
- IAU 自転モデル(NAIF pck00011)木星・土星の自転軸と自転の速さ、半径
- d3-celestial恒星・星座線のデータ
- Astronomy Engine太陽・惑星・月の位置計算