電流とインダクタンス
水の流れ = 電流、フライホイール = インダクタンス
水の流れが少しずつ増えていく様子を、ポンプと重いフライホイールでできた装置で確かめます。装置のポンプをクリックすると動きます。
ポンプの圧力 = 絞り弁で下がる圧力 + 水車が受け止める圧力
重いフライホイールが、水の流れを急に変えさせない
ポンプが水を押すと、水は管を回って水車を回します。水車は重いフライホイールにつながっているので、流れを速くするにも遅くするにも、フライホイールの勢いを変える必要があります。そのため流れは少しずつしか増えません。コイルに電圧をかけても、磁束と電流がすぐには増えないのと同じです。
水の流量は、電気では電流に当たります。コイルの中の磁束は電流に比例してできるので、流量を磁束と読んでも形は同じです。厳密には、フライホイールの「勢い」に当たるのが、コイルを貫く磁束の合計(鎖交磁束 L · i)です。
横軸の長さ(ms)を固定して、速さそのものを比べる
同じ時間の幅で、上がり方と下がり方を比べる
上のグラフは τ を単位にしているので、L や R を変えても形が変わりません。ここでは横軸を実際の時間に固定します。フライホイールを重く(L を大きく)すると、同じ時間では電流がなかなか上がらず、止めてもなかなか下がらないことが、傾きの違いとして見えます。
前半の半分の時間はポンプを入れ、後半の半分はポンプを止めた場合の電流です(止めた後も回路は閉じていて、電流は絞り弁を通って減っていきます)。点線の斜めの線は、立ち上がりの最初の傾き E / L を延ばしたもので、この線が最終値に届く時刻がちょうど τ です。
使い方の例:L を 10 倍にして「記録して重ねる」を押し、もう一度 L を元に戻すと、同じ横軸の上で二つの速さが並びます。R を変えると最終値と τ が一緒に変わります。縦軸を「電流・目盛りを固定」にすると、R を変えても最初の傾き(E / L)が変わらないことが、そのまま見えます。「割合」にすると、最終値に届くまでの速さだけを比べられます。
水の装置と回路の式は同じ形
装置と回路の対応
| 水の装置 | 回路・コイル | 式での役割 |
|---|---|---|
| ポンプの圧力 | 電源電圧 E | E |
| 水の流れ(流量) | 電流 i、これに比例する磁束 | i |
| 絞り弁で下がる圧力 | 抵抗の電圧降下 | R · i |
| 水車につながった重いフライホイール | コイル L | L が大きいほど変わりにくい |
| 水車が受け止める圧力 | コイル電圧 vL | vL = E − R · i = L · di/dt |
| フライホイールの勢い | 鎖交磁束 λ | λ = L · i |
| フライホイールの運動エネルギー | 磁界にたまるエネルギー | ½ · L · i² |
ポンプを止めても、フライホイールは惰性で水を押し続けます。このとき水車の圧力は負になり、フライホイールがポンプの代わりをします。回路で電源を外して両端をつないだ(短絡した)とき、コイルが電流を保とうとして逆向きの電圧を出し、電流が抵抗を通って減っていくのと同じです。なお、管そのものを急に閉じて流れの逃げ道をなくすと、水撃(電気では遮断時の高電圧)になります。
流れの速さと回転の速さの表示は、見やすいように大きさをそろえています。波形の形そのものは計算どおりです。